撮影:渡辺裕一 (c) Galleria AMICA


Chairman

書記とも訳されますが、この作品の場合まさに椅子男と言うべきでしょう。

この作品をつくるきっかけというか思いつきはどこから来たのか? 話はずいぶんと昔のTV番組「ロボット刑事K」にたどりつくのです。この石森章太郎氏原作の怪人キグルミ・アクションものの一話に、要人誘拐用の椅子の形をした怪人というのが出てきたのでした。そのものずばり要人がそいつに座ったとたんに、車輪がでてきて要人を羽交い締めにしたまま逃げるという、単純にして豪快な奴だったのです。

心の底に、そのバカバカしいパワーが沈殿して、ずいぶんとたってから私の脳の表面に浮き上がってきたということです。恐るべし、日本の怪人パワー!!

現実にこれは座れるのかということですが、座れます。けっこう座り心地いいです。本物の椅子の寸法から手足や各パーツの寸法が割り出してあるので、当然と言えば当然です。ですからCHAIRMANのプロポーションは計算で成り立っていて、これ以外のプロポーションだと普通の椅子に変形できません。

人が座っているのはたで見ていると、結構こっけいで楽しめます。座っている人もうれしそうで、作った甲斐もあったというもんです。

CHAIRMANは、篠山紀信氏の「T邸の怪」(やっぱり怪だ!)という写真集の表紙になってます。CAMERAも出演。